2025年12月9日(火) 乳和食アンバサダーの皆さんと一緒に、東京八王子にある磯沼牧場(磯沼ミルクファーム)へ見学に行ってきました。
住宅街の中にふと現れる磯沼ミルクファーム。
ここはただ牛乳を作る場所ではなく、「牛と人の幸せな牧場」を目指している、とっても素敵な場所なんです。

1. 磯沼牧場ってどんなところ?
牧場と言うと、山奥にあるイメージがありませんか?磯沼牧場は八王子の街中にあるんです!なんと駅から歩いて5分!
入り口には、TOKYO FARM VILLAGE。
カフェレストランのFARM BASELや、ヨーグルト・乳製品・ソフトクリームが購入できるMILK STANDがあります



牛舎だけでなく、ヨーグルト工房やビザが焼ける石窯があったり、コーヒーの香りがする堆肥が買えたり。循環型の施設がぎゅっと詰まっています。

関東の方がうらやましいです!
近くにあったら、絶対に子どもたちと通っていました☺️
2. ここで会える 7種類の乳牛たち
日本の牧場にいる牛(乳牛の方)のほとんどは、白黒模様の「ホルスタイン」ですが、磯沼牧場ではなんと世界中の7種類もの乳牛が暮らしています

白黒模様のホルスタインは、大型!とにかくお乳がたくさん出る『量のエース』。私たちが普段飲んでいる牛乳のほとんどがこの子たちのおかげです

それに次ぐのが茶色のジャージー牛。量はホルスタインより少し控えめですが、クリームのような濃厚なミルクの味を感じますよね。
磯沼牧場には、イギリス原産で、お肉もおいしくミルクも出る兼用種の「ミルキング・ショートホーン」がいます。日本ではなかなか会えない珍しい牛さんだそうです。この右側、カメラ目線のミションちゃん


磯沼さんが、
「少ない分だけ、甘みや濃さが増す。ハイブリッドなおいしさ。」と表現されていました。
3. おいしさの秘密は「エコフィード」なご飯
牛さんたちが何を食べているか、気になりますよね。
磯沼牧場では、食品工場などから出る食材の余りを活用する「エコフィード」を取り入れています



- 野菜や果物の皮
- にんじんジュースの搾りかす
- ビールかす(麦芽)
これらを、チモシー(牧草の一種)などの干し草と混ぜて、1日2回あげているそうです。
栄養満点のご飯をたっぷり食べているので、牛さんたち、常にお腹が満たされています。だから、お腹が空いて鳴くことがなく、牧場全体がとても静かで穏やかなんです。

奥でまったりしている牛さんたち
手前でお食事中の牛さんたち


4. アニマルウェルフェアへの想い
今回の見学で一番感動したのは、「アニマルウェルフェア(Animal Welfare)」への取り組みです。家畜を快適な環境で飼育することで、ストレスや病気を減らそうという考え方です。
牛舎の中は繋がれておらず、自由に歩き回れるようになっていました。


ジャケット&ネックウォーマーで防寒対策されている子牛ちゃん。とても人懐っこくて、愛情をたっぷり受けているのが伝わります


牧場では毎日、コーヒーやココアの殻などを牛舎の床にふかふかに敷き詰めています。これが牛さんたちの快適なコーヒーのベッドになるんです。
そして牛さんが使い終わったこのベッド(コーヒー殻と牛糞が混ざったもの)を回収し、さらに時間をかけて完熟・発酵させたものが、特製堆肥「牛之助」です



ただの廃棄物を肥料にするだけでなく、活用してから土に還す。この無駄のないサイクルの話を聞いて、とっても感動し、東京から持ち帰ったのは私です。うちの庭 に使わせていただきますね。
コーヒー皮や豆の消臭効果&切り返しによる水分減少で、しっかり発酵されているので、匂いが少なく、植物が元気に育つそうです。
5. 命をいただく場所、搾乳室
最後に、搾乳室(ミルクを搾る場所)を見せていただきました。
最近の大規模牧場では、牛が回転台に乗る「ロータリーパーラー」や、全自動の「搾乳ロボット」が主流になりつつあります。
しかし、磯沼牧場にあるのは、写真のような少しレトロにも見える「パイプラインミルカー」という機械です(右側の写真は搾乳時に牛さんが食べるおいしいご飯)


あえて人の手が介在する方法を大切にされているんです。
この方法だと、牛さんたちのお乳(成分)も個別にチェックできるため、厳選されたミルクのみから作ったプレミアムなヨーグルトが作れるんですって。おかあさん牛の名前入り


試食させていただきましたが、フレッシュなチーズのような濃厚さ!食べたことのない味わいで幸せな味がしました。贈り物にもできるので、ぜひこちらからご覧ください

牛さんの幸せ(アニマルウェルフェア)を第一に考え、地域の食品ロスを減らし(エコフィード)、そして私たちにおいしいミルクと幸せな体験を届けてくれる磯沼牧場。
見学を通じて、普段飲んでいる牛乳への感謝の気持ちが深まりました。読んでくださった皆様にも、伝われば…と願います。
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