米油で作るパンの特徴|ふわふわに作りたい時はこの方法!

パンを作る時、バターの代わりに米油を使っています。

ただ、バターを使った時と比べると、膨らみが少し悪く感じます。
膨らまないわけではないので、普通のおかずパン・テーブルロールを作った時は、気が付かないかもしれません。それくらい違いは小さいですが、明らかに違います。

特に、キューブ型やトヨ型など型に入れて焼く時に、角までしっかり膨らまず、気がつきました。一般的なスーパーにも並んでいる強力粉イーグルを使用して、数パターンを検証し解決策を見つけました。

その記録です。

キューブパンを米油を使ってしっかり角まで膨らませる方法
目次

バターの代わりに米油を使うメリット

⑴ 作業性の良さ(扱いやすさ)

  • 米油は液体なので、常温に戻す手間が不要
    → バターは冷蔵庫から出して柔らかくする必要がありますが、米油ならそのまま混ぜ込めて時短・楽ちん。
  • 生地に均一に混ざりやすく、ムラが出にくい
    → パン生地のキメが整いやすく、初心者でも安定した仕上がりに。

⑵ ヘルシー志向(脂質の質が良い)

  • 米油はコレステロールを抑えやすい
    → 不飽和脂肪酸が多く、オレイン酸やリノール酸が豊富で、動脈硬化の予防にも効果が期待されます。
  • ビタミンE(抗酸化成分)が豊富
    → スーパービタミンEと呼ばれるトコトリエノールを多く含みます。体のサビ(酸化)を防ぐ抗酸化作用が強く、LDLコレステロール(悪玉)を減らす働きがあります。

⑶ 風味の違い(小麦の香りが活きる)

  • 香りが控えめで、粉の風味がダイレクトに感じられる
    → 食パンやリーンなパンで、小麦の旨味を味わいたいときに◎。
  • ほんのり甘く香ばしい米油特有の風味(バニリン由来)
    → 焼き上がりにナッツのような香りが立ち、奥行きある味わいに。

パン作りに使う【油脂2種類】の特徴

油脂は大きく分けてると、固形と液体の2種類です。
以下に、特徴を表にまとめてみました

種類特徴
可塑性油脂(固形)バター、マーガリン、ショートニングなど生地中に練り込むことでグルテンの形成を助け、生地をしなやかにし、ふくらみ・伸展性が良くなる。香り・コクも加わる。
液体油脂サラダ油、ごま油、オリーブ油、米油など生地中に入りにくく、生地表面で滑る傾向があるため、グルテン形成がやや妨げられる。扱いやすくヘルシーだが、膨らみには工夫が必要。

私はパン作りの専門家ではなく、趣味で楽しんでいるだけなのですが、感覚としては、バターで作ったパンに比べて、米油を使ったパンはふわふわ感がだいたい9割くらいに感じます。

米油でふわふわパンを作るための3つの検証と考察

検証❶✏︎ 米油をあとから加える方法

粉と水で先にグルテンを形成→そのあと、米油を加えて捏ねる方法

液体油脂(米油)をあとから加える方法

メリットの予想
・グルテン形成を阻害しないように、油脂を後入れする理にかなった方法。
・一般的に、液体油脂を後入れすることでグルテンが壊れにくくなる。

結果と考察

  • 米油は液体であるため後入れすると、生地となじみにくく、練りこみに手間と体力(!)がかかる。
  • 労力の割りに、グルテン内にしっかり取り込まれず、焼成後の膨らみも不十分。
    →米油の粘性の低さと生地とのなじみの悪さが課題。効果なし。

検証❷✏︎ 時間をかけた低温発酵

冷蔵庫で一晩(8時間以上)ゆっくり発酵させて、じっくり時間をかける方法

冷蔵庫で一晩(8時間以上)ゆっくり発酵させて、じっくり時間をかける方法

メリットの予想
・時間をかけることで、生地の熟成が進み、グルテンがしっかり形成される。
・プロでも用いられる「オーバーナイト法」は、旨味アップにも有効。

結果と考察

  • 米油使用時の膨らみ不足は、時間ではカバーしきれない部分がある。
    時間をかけても解決が難しい。

検証❸✏︎ イーストの量を増やす(成功)

インスタントドライイーストの分量を通常より少し多めにする(通常は小さじ1、それを 小さじ1と1/3に)

米油でパンを作る時のポイント

理論的根拠
・生地の膨らみは、イーストが生成する炭酸ガスの量と、生地の保水性・伸展性のバランスで決まる。
・米油でグルテン形成がやや弱くなっても、イーストの活動が活発ならガスの生成量が増え、ふくらみがカバーされる。

結果と考察

  • 一次発酵・最終発酵ともに明らかに膨らみが改善。
  • 生地もふわふわで、型いっぱいにきれいに膨らむ。
    →一番簡単で、効果的な改善策。液体油脂の難点をカバーする実用的手法。

こちらは最終発酵終了後の写真。成型するときは、生地のグラム数を変えて、膨らみ方を検証しています

生地の膨らみ具合を確認


左上2つの生地は、120gずつ。
左下は108g、右下は86g。

右下のものは、流石に角ができませんでしたが、4等分すると、1つが108.5gになるんで、4つともきれいな真四角に膨らむことでしょう。

このレシピの配合は以下の通りです。

【米油で作るキューブパン】レシピ

75mmキューブ型を4つ使用しています。
8年前くらいに買ったのですが、それから商品がリニューアルされ、材質が変わったようです(大きさはこちらのものを使用しています)

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材料:75mmキューブ型4つ(約1斤)

  • 強力粉(イーグル使用) 240g
  • ぬるま湯 170ml
  • 砂糖 大さじ1
  • 塩 小さじ1/2
  • 米油 25g
  • インスタントドライイースト 小さじ1と1/3

詳しい作り方

  • 生地をなめらかになるまでこね、2倍にふくらむまで一次発酵する
  • 生地を4つに分けて、軽く丸めて10分休ませる(ベンチタイム)
  • もう一度丸め直し、油を塗った型にとじ目を下にして入れる
  • 生地が型の8割くらいまでふくらむまで、温かい場所で最終発酵
  • 180℃に予熱したオーブンで20〜25分焼く
  • 焼き上がったらすぐに型から出し、冷まして完成
キューブパンの油脂を米油で作る時の作り方のコツ

補足ポイント

生地の水分量について
粉に対して70%の加水率はリッチ生地の標準的な数値。米油の滑らかさと相性が良い。

粉の選び方
強力粉「イーグル」を使用 → 蛋白値11.8%程度で適度な弾力
→ もっとボリュームを出したいなら、「ゆめちから」など釜伸びの良い超強力粉も検討可。

強力粉によっては、水分量を微調整する必要があります。

香りと味の面での米油の魅力
米油にはバニリンと言う成分があり、焼きたてはほんのり香ばしい香りがします。
バターのようなコクのある主張はなく、小麦の素朴な味わいが感じられるパンになりますよ。

キューブパンを米油を使ってしっかり角まで膨らませる方法

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