「葉とうがらし」をご存知ですか?
スーパーではあまり見かけないのですが、八百屋や産直で夏に出回ることもあります。
唐辛子のやわらかい葉を使った絶品佃煮のレシピをご紹介します。明太子の旨味をたっぷり吸い込んだ甘辛い味わいは、まさに最強の「ご飯のお供」。
家庭菜園で唐辛子を育てている方にも必見の、簡単な作り方です。

目次
「葉とうがらし」「木ごしょう」とは?
「きごしょう(木ごしょう)」と「葉とうがらし」は、混同されやすいのですが同じものではありません。どちらも夏が旬で、関西を中心に親しまれています。
実を食べるか、葉を食べるかの違いですが、以下にまとめてみます。
きごしょう(木ごしょう)とは
- 定義:青唐辛子を未熟なうちに収穫したものを、近畿地方(特に京都や奈良)では「木ごしょう」と呼びます。
- 形態:普通の唐辛子の実で、まだ青く柔らかい段階のもの。
- 使い方:
- 主に「佃煮」「炒め煮」などに使われる。
- ピリ辛で香りが強い。
- 味噌と炒める「木ごしょう味噌」も有名。
- 旬:7月〜9月(青唐辛子の若採り時期)。
- 産地・地域性:関西地方(京都、奈良、大阪)での呼び方が多い。
葉とうがらしとは
- 定義:唐辛子の実がつく前、または実が小さいうちに収穫した「唐辛子の葉」。
- 形態:柔らかい若葉を摘んで使う。
- 使い方:
- 「葉とうがらしの佃煮」(醤油・砂糖・鰹節と煮る)
- 「葉唐辛子炒め」(ごま油やちりめんじゃこと炒める)
- 「漬物」にも利用される
- 味:ほんのり苦味があり、大人向けの風味。
- 旬:6月〜8月(唐辛子が成長する初夏〜盛夏)。
- 産地・地域性:全国的に作られるが、特に京都・奈良・和歌山など関西や、東北地方でも昔から家庭料理にされる。
作り方の手順を動画でチェック
手順がわかりやすいように、ショート動画にまとめています。
- 0:04 葉とうがらしと実の準備
- 0:11 葉とうがらしの塩茹で(ブランチング)
- 0:19 冷水に取り、水気を絞る
- 0:24 調味液と明太子を煮立てる
- 0:30 葉とうがらしを加えて煮絡める
レシピ
材料:作りやすい分量
- 葉とうがらし:ザル1杯分
(茹でて絞り、テニスボール1個分が目安) - 甘長唐辛子、しし唐の実:お好みで
(加えるとカサマシに) - 塩(湯掻き用):少々
【A】合わせ調味料
- 明太子(ほぐしたもの):80g
- 本みりん:大さじ3
- 醤油:大さじ2
- 砂糖:大さじ1弱
作り方
STEP
下ごしらえ
- 唐辛子のやわらかい葉のみを、枝から丁寧に取り外す
(お好みで甘長唐辛子などの実も加えても良い)



STEP
茹でてアク抜き
- 鍋に湯を沸かし、塩(少々)を加え、葉とうがらしと実を投入し30秒湯掻く。
- すぐに冷水に取り、粗熱を取る。
- ザルにあげて水気をきり、両手で固く絞ってボール状にする。



STEP
煮詰めて仕上げ
- 別の鍋に【A】の材料(明太子、みりん、醤油、砂糖)すべてを入れる。
- 中火にかけ、混ぜながら2〜3分煮詰める。
- そこに②の葉とうがらしを加え、調味液がなくなるまで手早く煮絡める。



コツ・ポイント
今回私は、伏見甘長唐辛子で作りました。
猛暑の間は花付きが悪くなるので、7月上旬に収穫したあと、一度下の方まで切り戻して脇芽を育てこれくらい収穫できました(2株です)


甘長唐辛子で作ると、やわらかで甘みがある味付けに。
他にもピーマンやパプリカでも作れます。
ピーマンの場合は、品種にもよりますが「ほろ苦い」感じになるかもしれません。唐辛子よりも葉に厚みがあるため、葉を刻んで使うと良いでしょう。
- 1:葉は「やわらかい新芽」だけを使う
ごわごわした古い葉は食感が悪くなるため、枝先についている柔らかい新芽だけを選んでください。これが上質な佃煮の決め手です。 - 2:湯掻き時間は30秒厳守
葉とうがらしは火が通りやすいため、茹ですぎは禁物です。30秒さっと湯掻き、すぐに冷水に取ることで、鮮やかな色と食感を保ちます。 - 3:調味液を先に煮詰める
葉とうがらしを加える前に調味液を煮詰め、アルコール(みりん)を飛ばして旨味を凝縮させます。これにより、葉とうがらしに味が短時間で染み込み、水っぽくなるのを防ぎます。

栄養まとめ&おすすめ献立
レシピの主要食材に含まれる代表的な栄養価については以下の通り
【出典】文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』
食材(成分表の項目) | 含まれる主要な栄養価(可食部100gあたり) |
とうがらし 葉(生) | β-カロテン:6,100μg (体内でビタミンAに変換され皮膚粘膜の健康維持を助ける) ビタミンK:490μg (正常な血液凝固や骨の形成に関与する) カルシウム:210mg (骨や歯の主要な構成成分) |
からしめんたいこ(生) | たんぱく質:21.0g (体の主要な構成成分) ビタミンE(α-トコフェロール):6.6mg (抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミン) ナイアシン当量:17.8mg (エネルギー代謝や皮膚の健康に関わる水溶性ビタミン) |
※上記は食材自体の一般的な含有量であり、本レシピ一食分で摂取できる量とは異なります。特にビタミン類は調理(加熱)によって一部が損失する可能性があります。
この1品とご飯だけでは、良質なたんぱく質、食物繊維、ビタミンC、発酵食品などの栄養素が不足します。栄養満点献立、以下のような組み合わせがおすすめです。
【基本の献立:一汁三菜】
- 主食:葉とうがらし佃煮とごはん
- 主菜:鯖の塩焼き
(たんぱく質・良質な脂質をプラス) - 副菜:きゅうりとワカメの酢の物
(食物繊維・ビタミンCをプラス/さっぱり箸休めに) - 汁物:豆腐となめこの味噌汁
(発酵食品・植物性たんぱく質をプラス)
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【時短の献立:一汁一菜】
- 丼:葉とうがらしと温泉卵のせ丼
(卵で手軽にたんぱく質を強化) - 汁物:豆腐とワカメの即席味噌汁
(発酵食品と食物繊維を一杯で)
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